2013年7月25日木曜日

タイ・ワークキャンプ日記 vol.2


小鳥のさえずりとともにタイでの初めての朝を迎えました。


ワークキャンプが修学旅行と違う点はいくつかあると想いますが、学校内の人たちとだけでなく、社会人の方など外の人たちとの積極的な交流と協力を通じて、普段とはまた違った可能性を模索できるというドキドキ感やワクワク感があります。

このたび「タイ山岳民族支援ボランティア」プログラムでごいっしょさせていただいたのは、おなじく都内私立高校の三年生Yくん、看護師で青年海外協力隊を志望しているKさん、会社員で数学の教員免許をお持ちのFさんでした。

簡単な自己紹介の後、オリエンテーションを受けました。

まず、山岳民族について。東南アジアには山岳民族と呼ばれる、半遊牧・半農耕の生活をしながら山岳地帯で暮らしている人たちがいます。ラフ族、アカ族、カレン族、リス族、ミエン族など十数の民族で、国境を越えて住んでおり、それぞれの山岳民族は言語と文化によってつながっています。

Dくんも初めて日本を出て、外国の入国審査を受けるときはとても緊張した面持ちでしたが、こういう時に、普段は意識することのない「国家」という存在について気づかされるものです。そして、「日本人」であるということの意味についても、いろいろと考えさせられます。山岳民族は国家を持たず越境的に生きているという点でとてもユニークです。

ただ、少数民族ゆえの差別や国籍を持たないことによる無権利状態、経済的な貧困、教育へのチャンスの大幅な制限など、さまざまな問題があり、弱い立場にある山岳民族が支えや励ましを必要とする場面はたくさんあります。特にこどもたちにとって学習することや学校へ通うことはとても重要な意味を持ちますが、それぞれの民族の言語を母語とすることから、タイ語で授業が行われる学校に通い卒業することは想像以上に難しく、学校を中退してしまうこどもたちの将来をどうするかも課題になっているとのことでした。

ボランティアとして最初に訪問させていただいたのが、山岳民族のこどもたちが通う保育園です。


日本の手遊びなどを紹介しながら、いっしょに遊びました!



文化や生活している環境がどんなに違っても、こどもたちは世界中みんな同じですね。とってもかわいい^ ^

国際ワークキャンプといってもなにか大げさなことをするのではなく、ひとりの人間として、ただの人間として、ありのままの人間として、だれかと出会い、ふれあい、こころを通わせる、とてもささやかだけれどもおそらく最も大切なことを自分なりにやってみるということなのだと想います。

わたしたちはビジネスマンでも政治家でも軍人でもない、「丸腰の学生」だからこそ歓迎もしていただき信頼も寄せてくださったのだと想います。利害や武器を携えていったら、やはり信頼して受け容れてもらうことは難しく、心の通った交流をすることもできないでしょう。わかちあい共に生きる平和な社会という夢のためにも、こどもたちとの小さな笑顔のような、ほとんどはかないくらいのいくつものシーンを、一人ひとりが一つひとつ積み重ねてゆけたらなと想います。